シンプル葬儀

遠縁だが世話になった親戚が死んだので、葬儀に参加してきた。喪主の息子はいい歳だがフリーターで金がなく、介護で全ての貯金を失い、ちょっとその辺も心配だったので、仕事を休んで行ってきた。


悪い予感は当たっていた。葬儀は金をかければいいってもんじゃないが、極度にシンプル化されていた。会場に行ったら、いきなり火葬場に棺があって、故人が入ってた。死装束も死化粧もなく、パジャマで苦しそうに身を捩ったまま、なんというかそのまま入ってた。


読経は省略。もちろん僧侶などはいない。まだ菩提寺に電話してないらしい。むしろ遺影さえ省略。辛うじて焼香はした。
私が着いて9分後には火葬され、待合室もなく共用空間の椅子で待たされた。お茶はあるが、コーヒーを飲みたければピッチャー3000円?払えと書いてある。


サクッと骨になって出てきた故人を骨壷に入れようにも、参加者が私と成年後見人のオッさんと、喪主の3人しかいない。なので一瞬で骨を詰めて、集合1時間後には骨壷と一緒にさよーなら、解散。早っ。切ない。


喪主は足が悪い上に金がなくて、いきなり重い骨壷と路頭に迷い始めたので、私がタクシーで家に連れて行った。私が行かなかったらどうなってたんだろう。


極貧の人を放っておくと死体遺棄しちゃうかもしれないので、「最低限の葬儀」をすれば自治体が補助してくれるのだが、今回のはそれだ。埋葬許可が出る最低限セット。

 


故人はどっちかというとしっかり社会人していた夫婦で、持ち家だって貯金だって元々はあった。いろいろあってこうなっちゃったんだけど、なんというか…自分が死んだ後のことは知らないとはいえ、こういうのみると辛い。


喪主よ…せめて戒名と墓への埋葬は省略しないであげて…遠い親戚だけどリアルに心配だよ。