近所の山で酷い目にあった話(2)

二つ目の峠を過ぎ、急な下りが始まった。っていうか相当な急坂だ。道幅が狭いので飛ばすことも出来ず、どうにか滑らさずにブレーキングして曲がっていく。1kmもいかないうちに前輪から
「バン!」
という音が。


あーあ。バーストしちゃった。


触ってみると予想通り熱い。ブレーキが焼けて温度が上がりすぎたんだな。

…さて、困った。近所だと思って財布しか持ってきてないや。パンク修理道具も水もない(油断しすぎです)。最寄りの町(醍醐)までで6kmぐらいだっけ。仕方ない、歩こう。

で、自転車を押して歩き始めたのだが、なかなか恥ずかしい。というのも登り坂で押していると、疲れて押してるみたいじゃない? しかも意外と気合いの入った格好&自転車だし。なんという羞恥プレイでしょう。心なしかすれ違う人がこっちを見て笑っている気がする。

峠を過ぎると、その先はダートである。ここから京都までもどこかに舗装路はあるらしいのだが、今は歩きなので最短距離で降りていく。最初はただの(比較的フラットな)未舗装路かと思いきや、どんどん勾配がきつくなっていく。岩とかごろごろしてるし。もはやガレ場と言ってもいいような下りを、ブレーキをかけながら押してかけ下った。なんかいつも気が付くと、自転車用のビンディングシューズで山中を歩いたり走ったりしている気がするわたくし。もし乗車なんかしたら一回転しそうな急勾配だ。


山道を抜けようかというときに、下からマウンテンバイクを押して登ってくる人に出会った。この先の道の様子などをいろいろ聞かれた。1.5kmしかないのに、なかなか大変だったことを伝えてすれ違う。どうやら下った先には京阪のバス停があってすぐに帰れるらしい。助かった。最後の醍醐寺の参道はすごく綺麗な新緑だったが、正直それどころじゃない。

醍醐寺の前の売店で、とりあえずアイスと水と飯をゲット。食料もないとはマジで油断していた。輪行しなければ、と思うが、輪行袋は持ってない。売店でもゴミ袋は売ってないという。しょうがないので、来たバスにおっかなびっくり自転車を畳んだまま持ち込む(真似しないでくださいね)。あとで気が付いたのだが、このときどこかにサングラスを落としてしまったらしい。フォトクロミズムのだいぶ高いやつだったのに。バスでは怒られなかったけど、新快速ではばっちり怒られた。山科駅でゴミ袋を買っておくべきだった。

帰宅してから、サングラスを諦めきれずにもう一度バスで醍醐寺まで引き返して歩き回ったり、京阪バスに電話して聞いてみたりしたけれど、結局出てこなかった。しくしく。

さんざんだったなぁ。何事にも準備は必要だと、まぁそういうことで。