ダチョウ王国に行こう(2)

ダチョウ王国は、アクアラインを抜けた先、千葉県の袖ヶ浦市にある。のどかな畑の中、なぜか高級車ばかりの駐車場でベンツとポルシェの間にハイエースを停め、入場。


最初の関門は受付のおばさんである。バケツ1つ500円、2つ600円、(3つで700円)のニンジンを売りつけようとし、さらにダチョウも見ないうちからダチョウ肉や玉子を出すレストランで食事をさせようと待ちかまえている。この手強い人をどうにかやり過ごしたと思ったら、後輩がすでにニンジンをバケツ2つ購入済。おいおい。


あ、大事なことを書き忘れていた。この後輩はダチョウに似た、長身でふてぶてしさと獰猛さを兼ね備えた男で、私もよくダチョウと間違えていたので本当は脱走したダチョウなのかも知れないわけだが、まぁ彼をここに里帰りさせようという企画なのである。



▲▲ 対決!
▲ 子ヤギ。平和な動物もいるにはいます。

最初はヤギやアルパカや、馬(この乗馬コーナーは誰もいなくて勝手に乗ることになっている。乗れるかっての!!)と平和に親しんでいると、通路を向こうからダチョウが走ってきた。↑の後輩かと目を疑ったが、正真正銘のダチョウである。


何でナチュラルにダチョウが脱走してるの、この動物園!!?


▲▲ 脱走しているダチョウ。
▲ それを獰猛に威嚇するダチョウ(奥が柵の中)。


目撃者は一様にみな怖がっている。2mぐらいのが走ってこっちに向かってくるからね。そりゃびびりますよ。
ダチョウは獰猛なのである。餌をやろうとするとクチバシでバクっとさらっていくし、柵に入ったら餌目当てで追い回してくるし、ストレスがたまると仲間のお尻の羽根を血が出るまで全部むしるし。


お、脱走したダチョウが柵の中へ戻ろうとしている。どうせ脱走したって食い物がないことに気づいただろうか。しかし柵は逃げも入れもしないように作られており(なんか別の柵から逃げたみたいだ)、手を持っていないダチョウにとって、そこに入るのは少々むずかしい。
しかも柵の中の別のダチョウたちが5,6羽集まっては、入ってこようとする奴に「シャーッ!!」と威嚇している。もはや猛獣のようだ。


20分くらい、入ろうとするダチョウと威嚇する奴らの攻防が続いた後、唐突に前者が柵に突撃し、柵の間から中に突っ込んだ。
羽根では満足に着地できるわけもなく、盛大にずっこける。そこに他のダチョウが集まってきて、みんなで足蹴にし始めた。リンチである。普通にボコっている。これはひどい。こえー。この鳥ひどい。同行者があからさまに引いている。

もはや後輩がいくらダチョウに似ているからって柵に放り込める雰囲気じゃなくなってきたよ。


すると通路をもう一羽、ダチョウが走ってきてどこかへ去っていった。


まだいたのかよ(^^;;


もうやだこのフリーダムな動物園。大好き。(続く)