雨上がりの伏見稲荷へ
伏見稲荷に行ってきた。京都の南、狭い参道をえっちらおっちら運転し、しまいには迷って(お約束)、さらに狭い路地と急坂から無理矢理駐車場へ。
入口や本殿は大きい。でもこの裏に続く、長さ数キロの石段の山道こそ、この神社の本領だ。
山道に入ると、空気が変わる。狐。千本鳥居。幽世との扉。
折しも雨上がり、凛と冷えた空気は水分を含んで、来たものを異界へと誘う。
朱塗りの鳥居は延々と奥深い山へ続き、あれだけいた観光客もいつしかまばらになって、どこからともなく祝詞が続く。社も鳥居も、いったいいくつあるんだというくらい。
息を弾ませて登り切ると、標高は232mまで来ていた。山に入ってから1時間弱になる。たまにあらわれる眺望スポットから京の街を見下ろしつつ、下界につく頃には日が暮れかけていた。