上高地漂流

今日の日中は子育てをまかせて、朝からルーテシアを走らせる。今年も上高地への入り口、平湯温泉に着いた。

平地では新緑も一段落して、暑くなってきたところだが、標高1500mのここはまだまだ。遅咲きの桜がまだ咲いてたりするところもある。

駐車場にはルノー5(サンク)ターボがいたりして、テンションが上がる。他にもゴルフGTIとか、峠を飛ばしたら楽しそうな車はいろいろいた。
この先はマイカー通行止めなので、車の話はこのへんにして、バスで上高地へ。



山の残雪と、梓川の清流が美しい。奥へてくてくと歩いて行くと、だんだんに自然は鮮烈さを増してくる。

これはニリンソウの花畑。この時期の上高地は、可憐な白い花が随所で咲いている。

池。マスが泳いでいて、影が水底に映っている。透明度が高すぎて水深がわからない。

歩いていると、木の向こうから猿がこちらを見ていた。よく見ると胸に赤ちゃん猿がひっついている。

道ではせっせとノミ取り中。

こっちでもノミ取り中。

このホワホワな感じがとれると、一眼レフ買ってよかったと思いますね。

一人の猿は、元気に川を飛び越えていた。なかなか躍動的。

6kmくらい歩いただろうか、梓川を見ながら一人カレーカップヌードルを作り、すする。ドリップコーヒーを入れて、デザートと一緒に一服。

明日から仕事がんばれるかな、という気になってくる。

まだ13時だが、いろんなところで命の力を感じながら、帰路についた。


戻った頃にはだいぶ日が高くなって、少し汗ばんだ。


「立ち向ふ穂高が嶽に夕日さし沸き上る雲はいゆきかへらふ」

若山牧水の歌が、立ち寄った温泉に貼ってある。もう帰らなければいけないから、穂高の夕日は見られないけれど。
あぁ、旅と酒と自然と温泉を愛するだけで生きていければいいのに。

…いや、どうなんだろうな。


次の日、出社すると、数カ月前に受けたメンタルヘルス検診の結果が届いていた。

「あなたは、ストレスが溜まると、消極的になって他人との接触を絶つ、漂流・孤高傾向があります。ストレスが溜まっても友達とカラオケやショッピングに行って解消するようなことはあまりないでしょう。あなたに必要なのはコミュニケーションです。」


お、おう。俺様はストレスが溜まって上高地を漂流していたのか。そうなのか。
アンケートに答えただけでよくわかってんじゃねーか。


旅と酒と自然と温泉を愛するだけで生きていければいいのに。