盛夏のダムへ

関西のダムのうち、奈良と兵庫はまだあまり訪問できていない。

そんな中で、今回は割とハードル高めの、神戸にある「石井ダム」に向かってみる。
ここは神戸市北区で、山手からもわずか5km。簡単に行けるかと見せかけて、実はおそろしくダムカード獲得は困難。具体的なところはこれから書いていくことにしますよ。


まずハードル1。平日しかダムカードを配ってない。

はい。有給取りました。ダムに行くために有給を取る時点でかなりのサラリーマンが脱落するであろう。兵庫は平日のみのところ多すぎだよ。管理人の都合上仕方ないだろうけどさ。


さて、いそいそ地図など見ていると、妻に
「あ、散歩行くならこの子も連れてみんなで行こうよ」
と言われる。

うちの子はまだ歩けもしないのだが、誰に似たのか屋内にずっといるとだんだん機嫌が悪くなってくる。アウトドアに連れ出すと、機嫌よくなってそのうち寝てしまう。

では家族3人で行きますか。


子供も少しは大きくなったので、以前よりは長めの散歩に連れ出すこともできる。


ベビーカーで冒険するときの準備として、

1. 大径ホイールの、走破性に優れたベビーカーを用意する。
 うちのはAirBuggyというやつにMaxi-cosiというゆりかご的なチャイルドシートを装着してる。このベビーカー、米式バルブのゴムタイヤがついてて、パンク時用のハンディポンプまで付属しているという走破性重視タイプ。頼もしい。

2. 子供が熱中症にならないように、保冷剤と日除けは必ず持っていく。

等は重要。準備なしでも大人はいいけれど、子供が巻き添えでひどい目に合うからね。


ではまず、坊主の機嫌を確認してみよう。

わきゃわきゃ。元気。ではレッツゴー。

神戸までは高速で。鈴蘭台という山中の住宅地に行って、コインパーキングからスタートである。

ここでハードル2。ダムまでの車道は一般車通行止め。

ダムは建設の都合上、相当特殊なところでない限りは大型ダンプが入れるような立派な道を一緒に作るんだけど、ここは事もあろうに管理用の車以外通行止めになっている。歩いていくか、自転車で行くしかないのだ。

歩いて行く。てくてく。片道3kmぐらいか?

途中に神戸電鉄の車庫があったりする。

線路沿い。息子は機嫌よく爆睡である。妻は「また騙された、こんなに長距離歩くなんて」といっているので、とりあえずあやまっておく。

そうこうするうち、ダムが見えてきた。この天空の橋をずっと歩いて行く。もちろんここも車通行止めで、ある意味散歩には最適。

さて、管理所に着きました。

ここでハードル3。管理人からカードをもらわなきゃいけないのに、管理人がいない!!

どうやら除草作業か何かをしていて留守のようだ。コードレスホンの電話番号が入口に書いてあるので、電話してみると…

「電波がつながらないところにいます」

と無慈悲な電子音声。業務用PHSのようだ。
仕方ない、ダムの敷地の中を歩きまわって探すか…


うーん、いない。というかいたとして、あそこまで降りなきゃいけないんだろうか…


うーん、いない。というかいたとして、あそこまで登らなきゃいけないんだろうか…
ベビーカーを押して。

これだと平日有休まで使って無駄足になってしまう! どうしよう。


あ、いた!!!
業務用道路を車で走ってるということは、管理人の可能性が高い。


最後のハードル4。仕事中の管理人に、ダムカードを取ってきてもらうよう頼まなければならない!

これはなんというか申し訳なくて仕方ない。広いダムの端まで行ってきてもらうのだから。
ダメ元で頼んでみると、快く応じてくれた。

待つこと5,6分。リアゲートをあけっぱなしにしたまま、管理所から車が帰ってきた。管理人さんの手にはカードが2枚。本当にありがとうございました。


ちなみに息子は行きの高速で眠りに落ちたっきり、帰路を数km歩き、車で家に戻って、荷物をおろして部屋に入ってもまだ寝ていた。すごい。