オープンスポーツカーと峠道(1)


(上:ロータスエリーゼ, 左下:ダッシュボード, 右下:低い視界)


 3月末、東京を発つ前日にレンタカーでドライブに行ってきた。といっても普通の車じゃなくて、ロータスエリーゼという知る人ぞ知るオープンのスポーツカーで、である。
 普通、スポーツカーなんて貸してくれるレンタカー屋はめったにない(都内にはいくつかあるけれど)。車体価格が高いくせに下手くそな奴が調子に乗って壊す可能性が高いんだから、当たり前。ましてやイギリスの趣味的な車なんて、ねえ。でもここは例外。ディーラーが、試乗の延長として安く貸してるのだ。

さて、この車の何がすごいって、
1. 軽い!
2. 車高が低い!
3. 実用性も低い!(汗
といったところである。格好いいとか速いとかは当り前だから省略。あと言うなら、このクラスにしては安い、ということか。まあスペックの解説は/wikipedia:ロータス・エリーゼ/にでもまかせて、実際に乗った話を書こう。


 昼前に東急池上線(20年ぶりくらいに乗った。昔は緑色の旧型電車だった…)から降り立ち、ディーラーへ。あ、そうそう。今日は1人で来た。誰かを乗せて峠で車を本気で振り回した日には、口をきいてもらえなくなりそうだし、オープンカーで女の子をドライブに連れ出して調子に乗ろうにも「わ」ナンバーじゃ嘲笑の的だし(…たぶん)。

 というわけでショールーム到着。中にはエリーゼエキシージ、ヨーロッパと、尖ったスポーツカーが並んでいる。簡単に約款を読んだあと、元ポルシェの社員だったというディーラー氏の説明を受ける。

「キーレスエントリーはあるんですけど、無線の部分が壊れると、物理的に開かなくなっちゃうので、最初からキーレスを使わないようにしてます。普通に鍵で開けて下さい」
どこぞのイタ車でもそんなことはなかろうと思われる大らかな電装系である。が、他に余計なエレクトロ二クスがないのは好感がもてる(せいぜいイモビライザーぐらい)。ないものは壊れないからね。幌もワンタッチではめ込むだけの簡素なものだ。

 さて、乗り込む、というかもぐり込む。車高はあまりに低く、ドアをあければ地面にべたっと手がつくし、視線はガードレールやトラックのナンバーの高さだ。ホンダのS2000も低いが、ここまでではなかった気がする。エリーゼは、斜めに進入しないと路肩の歩道の段差を上れない(前のナンバーとバンパーをこすってしまう)。
 イモビを解除し、ボタン一発エンジン始動。背後から「ブオン!」とうなりが上がる。何の問題もなく半クラッチで発進。この辺はアルファより楽だ。いや、アルファも楽だしな、そう、ブルーバードぐらい楽ちん。1速ではあまりスピードが上がらない。うちのは1速で70km/hまで引っ張れるが、こいつはローギアードだ。2速に入れると、シフトがメカ二カルにカチッと入った。こんな気持ちいいシフト感は初めてだ。2速でトルクバンドに入ったあとの加速は爽快。でもまだここは環七、加速なんかしたら前のトラックの下に刺さってしまう。
 首都高から中央道に入る。ポルシェに試乗する人は、高速に入るとみな狂ったようにアクセルを踏んでディーラーを恐怖に陥れるというが、私はそんなことはしない。だって持ち点があと3点しかないから!
 こういう話でもし私が「〇〇〇km/h出しちゃーた」とかmixiに書いて、しかも私が某社内定者コミュなんかにいた日には親切な人が通報してくれるのでしょか(笑)。いつから日記はエクストリームスポーツになった?

(次回に続く)