信楽高原ショートツーリング


さて、昼前にロードレーサーを持ち出して琵琶湖岸へ。
そのまま瀬田川沿いをぶっ飛ばして南下していく。

今日の目的地はここから1つ山を越えた先、信楽(しがらき)の町だ。
瀬田川は次第に渓流になる。途中から東へと入り国道422号から307号へ。
坂はとても緩やかで、周囲は典型的な針葉樹林。朝飯を食ってなかったので、適当にクリームパンでも食べながら行く。途中一度すれ違いもできない狭路になったかと思えば、二車線の立派な道路に。この道では、サイクリストとたくさんすれ違った。トレーニングに適しているのだろう、きっと。昨日東京で買ってきたレーシングパンツは、腹も出ないし蒸れないしでなかなかよろしい。素材はフィールドセンサー。

峠のトンネルは長さ800m程度の広い二車線道であった。峠とはいえ、その先の標高が高いので大して下るわけでもない。平和な田園地帯の盆地である。

信楽焼の窯元を見つけたので、ふらっと入ってみた。駅や市街から遠く離れた場所ゆえか、全く人のいない、商売気もない倉庫。お店の人すらいないので適当に物色して回る。500円ぐらいの小物から、20万もするような古色蒼然の骨董までたくさんあるが、なんかクモの巣が張ってますがこれいいんですか? 目の粗い粘土で焼いた壺の上側だけ、ちょうど美しく釉薬のかかった壺を見つけたので、(店員が帰ってくるのを待って)適当に実家に送り付けておいた。
「送料は適当に1000円で。値段はその代わり300円引いておきますから」
本当に商売気がないな。

さて、ちょうど昼飯時になったので、少し先のそば屋に入る。そば屋だけに、おいしいかつ丼はないかしら。というかですな、このまえ会社の食堂で「かつ丼」と名の付いた食物が出てきたんだけど。これがなんか厚さ数mmの薄いカツに、玉子の入ったタレをかけたもので愕然としたのだ。かつ丼って卵とじだよね? ちょっと煮るよね? 玉子は半熟でしょ? こっちのお味はいかに。
ここは角煮も名物らしく、角煮定食や角煮の入ったうどんみたいなものが次々と運ばれていく。全部旨そうに見える。よだれを垂らして待っているうちにかつ丼がやってきた。期待通りのかつ丼で、味のしみたカツ、緑のネギの上に半熟の玉子が。そうそう、これが正しいですよね。いやー、食べ物の地域性とかそんなのだったらどうしようと思ってたので。

腹が一杯になったので信楽の町を経由して、今度は新名神高速道路沿いの道で帰ろうと思う。市街地への下りはこちらも適度に緩やかで、ノーブレーキで鼻歌でも歌っていれば40km/hぐらいで下っていける平和な坂だ。この辺は、新しい住宅が全く目に付かない。瓦葺きの日本家屋が水田の中にぽつぽつある。

信楽の駅で休憩。小さなレールバスが発車を待っていた。信楽高原鉄道といえば、昔見切り発車してしまってJRからの乗り入れ列車と正面衝突した路線。JRの、装甲車みたいな鉄板を正面に持つキハ58が、レールバスを粉砕していたのが当時子供だった私の目にも印象的だったのを覚えている。「うわ、やっぱ高度経済成長のときに作られた車両は丈夫だなぁ」みたいな。嫌なガキですか。そうですね。

信楽焼で誰もが知っているのはタヌキの置物だろう。観光地化されているエリアでは、これどうやって焼いたの? という高さ数mのタヌキが店ごとに並ぶ。信楽聖武天皇紫香楽宮(しがらきのみや)を造営したことでも知られる古都。とはいえ、今は丘が残る程度だ。その紫香楽宮のあたりを左折し、再び琵琶湖方面へと帰る。

新名神高速道路は遙か頭上を一直線に貫いている。この前ワゴン車を運転していたときは、谷ごとに上空の横風が吹き付けてきてハンドルを取られた。そんな橋を見上げつつ、30〜35km/hで快走する。国土地理院の地図で見ると妙に細く書いてあって、狭路かと思っていたが、立派に2車線あって大型バスも減速せずにすれ違っている。

行きにはどんより曇っていた空も、今は青く晴れわたっている。景色を写真に収めようとしてデジカメを取り出したら。
なんとバッテリーが入っていない。(゜◇゜)ガーン。
携帯のカメラはバッテリー切れ。なんてこったい。最近いつもカメラで景色を撮り逃している気がする。

道が細くなってきた。車同士だとすれ違い困難な場所もある下り坂。自転車でも左コーナーでふくらむと対向車と正面衝突してしまうので、適度にブレーキングして下る。

山を抜けると、そこは日本の原風景のような田園地帯であった。田植えの終わった緑の田んぼに、青空と雲が反射する。ちょうど高圧線の鉄塔が画面を引き締めてくれて、季節感のあるいい写真が撮れそうなのだが…悔しいのぅ。場所だけGPSに記録してゆるゆると走る。もうあとは5kmか7kmか忘れたが、平地を走るだけなので急ぐこともない。梅雨前の晴れの休日を満喫して帰宅し、風呂、ビール、そして昼寝。

本日の消費カロリー 2000kcal(心拍計が途中で狂ったので推定)