Loroに行ってみる。

我が愛車である折りたたみ車のBD-1は、3万km近い(もうわかんないけど)ツーリングとちょい乗りでだいぶ乗り込まれている。もはや交換したことのないパーツはハンドルとフレームとクランクと、チェーンリング(フロントのギアね)だけになった。他のパーツは全部、ほんとに全部交換してしまって、原型がない。
 今回その最後のパーツのうちの1つ、チェーンリングが磨耗しきって寿命を迎えたので、会社から帰ってから交換しに行った。

小径車やリカンベントサイクル(寝たような姿勢で乗る自転車)専門の、知る人ぞ知るお店だ。京都や大阪や、東京は世田谷にもある。京都駅まで輪行し、壬生川通りを北上して五条通りへ。4月に移転してきたばかりの小さくてしゃれた店に変な自転車ばかりいっぱいある。わーい。店員は一人だけで、折りたたみを探しにきたOLにいろいろ勧めているところだった。
 店員に聞くと、今すぐに作業してくれるという。もう閉店時間なのに。店内に時計もおかず、閉店時間は目安程度にサービスする方針なんだそうだ。
「いや、使い込んでますけどブレーキやワイヤーはちゃんとメンテナンスしてるんですねー」
と店員さん。ツーリングからパーツの話まで、私は店の椅子に座って作業中の店員としゃべっていた。
 すると電話があって、そのすぐあとに学生風の可愛い女性が駆け込んできた。
「自転車のワイヤー錠を探してるんですけどっ。ダイヤル式の」
どうやら鍵式のワイヤー錠をつけてたら鍵をなくしちゃって、警察に切ってもらったあとらしい。軽く興奮してるのか上気して事情を話してくれた。暇なので私もちょっとしゃべる。

鍵を探しにあんた、変な店に迷い込んじゃったねぇ。ふふ。これも何かの縁、ついでにM5のリカンベントでも買っていくといい…
とか常連ぶって言ってみたい(?)とか思いつつ、まぁそんなこと言わないし。なんだか新しい話が始まりそうなステキな店だったので期待したんですが、そりゃ普通に鍵を買って帰っただけでしたわ。

さて、わざわざ残業してとりつけてくれたのに工賃は600円かそこら。安いなぁ。前東京の某チェーンで見積もってもらったときよりも、パーツ代込みで5000円近く安かった。

てっきり預けることになると思っていたが、予想外に早く直ってしまった。せっかくなので夜の京都でも走っていくか…。お腹空いたし、一乗寺のラーメン街にでも。GPSで距離を測ると、10km弱ある。ただラーメンだけ食うよりは罪の意識も薄れるだろう。五条通りを東へ行って祗園、清水。ずっと北上して、京大の向こうまで。
 ラーメン屋は有名店の高安へ。カフェみたいなお洒落な店で、ラーメンを食ってる様子がガラス越しに丸見えだ。休日は30分待ちなど当然だが、今日は平日なのですぐ入れた。ラーメンとご飯の大盛りを注文したら、半端じゃない大盛りご飯が出てきてしまってちょっとびっくり。以前、牛すじの入った限定のスジラーメンを頼んだときには少し甘く感じたスープも、今日はちょうどよい塩気を感じるだけだ。まろやかなスープに残りのご飯を全部入れて、雑炊にして食べる。鶏ガラと豚骨…だよね?出汁が出てうまいスープであった。

帰りは4kmほど走って地下鉄東山駅へ。京津線(これも途中で路面電車になっちゃったりしてロマンあふれる地下鉄なのだが)直通の東西線から京阪を乗り継いで帰ったのだった。

会社帰りにこんなことができるなんて、定時退社ってすごいな。