キャンピングカー紀行(1)

先日愛車が修理から戻ってきたのですが、これは11月頭、まだ修理中だったときのこと。

こともあろうに、船便でガソリンホース1本が、イタリアからどんぶらコッコと運ばれてくる間抜けな状況に痺れを切らした私は、ついこんな記事を見つけてしまった。

軽自動車を改造したキャンピングカー、いわゆる軽キャンパーの「テントむし」が京都や大阪のマツダレンタカーで借りられるというではないか。そして衝動的に電話し、予約を行った。で、妻と和歌山のアドベンチャーワールドに行ってみようかということに。


さて、京都で借りて見ました。

ちょいーん。

ちっちゃい。中はこんな感じ。↓

残念ながら、キッチンや流しがついてるバージョンのは貸出中だったので、部屋は椅子とベッドにしかならない。ただし、天井がぐいっと持ち上がって、ちゃんと立てるようになる。
レンタカー屋いわく、「バッテリーが上がったら嫌なので、暖房かけたり室内灯つけるときはずっとアイドリングしてください」

いやいや、そんなことできませんがな。見たところ補助バッテリーついてるじゃないですか。と言ったが、アイドリングしろの一点張り。エンジン切らないオートキャンパーなんて、反社会的存在じゃない? 俺は絶対やらないぞ。



はい。で、普通はこのまま和歌山へ旅立つところなのだけれど、妻は東京にいるのですね。じゃあ仕方がない。まず京都から東京まで迎えに行こうか。

テントむしは軽トラの定番、ダイハツハイゼットを改造して作ってある。だから本質的には軽トラである。頑張ってキーレスエントリーも、増設スピーカーも、外部入力つきのナビも、パワーウィンドウも、ETCもついてるというのは割と驚くべきことだと思うが、駆動系は軽トラである。3速オートマチックなのだ。

でね、知ってる人は知ってると思うけど、この3速オートマの軽トラ(軽バン)ってのが、なかなか大変なのですわ。出発して20km/hあたりで2速に入り、40km/h手前で3速に入り、そのあとは全っ部3速で走らないといけないのですね。その上のギアがないのだ。

京都を出て、まず大津方面へ向かうわけだが、国道1号は清水から東山を越える坂を登る。で、制限50km/hで走って登るんだけど、なんか錯覚かと思う勢いで周囲の車が先へ進んでいくのだ。仕方ないからアクセルを床まで踏んでみるんだけど、スピードメーターの針はぴくりとも動かない。キックダウンするために一度足の力を抜いておもいっきり踏み込むと、2速に落ちてすんごい轟音を上げ始める。で、少し加速する。

そんな感じの奴です。で、今度は大津で荷物を積んで、名神高速に入ったのだが。

キーン!!! ゴー!!!
100km/hあたりを維持すると、もうエンジンが8000回転とか9000回転とか回ってて、ジェットエンジンみたい。オーディオの音もナビの声も、全然わかんない。飛行機の翼の上にいる感じ。なんかこれ以上出すと「あたしもう無理こわれちゃう」的なオーラを各所から感じて、恐怖感すら覚える。頑張れ48馬力。

で、いっぱいいっぱいになってると、可愛いVitzとかマーチとかWagonRとかに新名神でぶち抜かれる。奴らは4速ATですからな。え、そういう問題じゃない?

普段は東名阪自動車道四日市JCTから伊勢湾岸自動車道に入り、豊田JCTから東名に行くわけだが、あまりにいっぱいいっぱいだったのと、車内がうるさすぎてナビが何言ってるか分からないという状況で、間違えて東名阪を直進。なぜか深夜の名古屋に着く。味噌カツ屋やってねぇ!

そんなこんなで6時間少々。東京に到着。妻曰く、
「高速代ももったいないし、下道で和歌山に行こうよ」


うむ、その意気やよし。旅の過程を楽しもうというその心、受け取ったぞ。(続く)