生駒山上遊園地

梅雨晴れの休日、奈良にドライブに行ってきた。その帰りに奈良唯一の遊園地、「生駒山上遊園地」につい立ち寄ったところ、とてもポジティブな気持ちになったので記事にしておこうかと思う。

阪奈道路を駆け上り、信貴生駒スカイラインの10%勾配をさらに登ること4km。遊園地の駐車場入口が現れた。2000台あるという駐車スペースで私が止めたのは、入り口に最も近いスペースから3台目。

さて、ここから遊園地までは、コンベアにリフトがくっついたような乗り物で上がることができる。

駐車場まで爆睡していた妻子は、突然の非日常にワクワクである。しかしそこから徐々に姿を見せる日常感がこの遊園地の魅力といえるのではなかろうか。
さて、よく見るとこの乗り物、数台に1台リフトがついておらず、歯抜けになっている。私の前のも台座だけ。壊れたリフトを取り除いた結果なのか!?

山上に上がると、絶景が広がる。さすが山頂である。すごい!

さて何で遊ぼうかな。と見ると、椅子に座って高いところまで上がったり落ちたりするやつ、なんて言うんだっけ、あれがある。

聞こえるのは歓声…と思いきや、とても大きなコンプレッサーの音である。
見ると、アトラクションの裏に付いている機器部分が全開になっており、コンプレッサーが丸見えである。そこに前後から業務用の扇風機がセットされ、全開でコンプレッサーを冷却している。

なるほど、オーバーヒートを防ぐために扉を開けて臨時の冷却ファンにしたわけね。いいよ、こういうことあるわ、うちの会社の工場でも。安全は大事ですよね。

という目で見るとアトラクションが「エアシリンダーに椅子がついたもの」にしか見えなくなったので、次のメリーゴーランドに乗ってみることにした。

妻子と乗り、楽しくグルグルと回る。上を見上げて妻が楽しそうに、
「あ、クランクシャフトが見える! なるほどああやって回ってるのねー」
この漂う現場感。いいね。係員の横に整備用パーツクリーナーとゴキジェットのスプレーがばっちりセットされているところも、現実的でイイ。

ひとしきりメリーゴーランドを楽しんだあと、山頂へ登って行くと、次はミニSLだ。

係員の人がニコニコして待ち構えている。まぁ、乗ってみましょうか。乗客は我々のみ、独占である。走り始めると…ん、あれは…! 一等三角点!

国土地理院地図に詳しい諸兄ならご存知であろう。まぁ、全国に1000点もあるし、珍しいものでもないのだが、周囲をミニSLが走り回っている一等三角点はさすがにここだけだろう。すかさずスマホでFieldAccessを起動し、確かめてみると確かに三角点。良い時代である。

もはやSLがC58かどうかとかではなく、三角点に興奮した我々が見つけたのは、昔デパートの屋上によくあったアレ↓であった。

200円入れるとゆっくり動く乗り物。すかさず200円投入する。すると、この犬のような乗り物、すごいビープ音をBGMに発しながら動き始めた。やばい、これはすごい。90年代前半のMS-DOSゲームを思い出して思わず微笑んでしまう。FM音源ボードを搭載すればもう少しいい音になったかもしれない。

…と、となりにある色あせた乗り物を見ると


…これはじゃじゃまる!
背中のチャックが壊れている!

背中にチャックがあるということ自体どうなのよ、と思ったが、そもそもにこにこぷんをリアルタイムで見ている世代は今20台後半以上なので、もはや何の問題もない。

さて、楽しい遊園地もそろそろ終わりにするか。最後はペットふれあい広場である。かわいい犬たちと遊べるスペースで、最近はリアル脱出ゲーム的なイベントもやっているようだ。

どれどれ。コンセプトがたいへんバイオハザード的だ。本文1行目から「あらすじ」が「らすじ」になってるが、気にしてはいけない。
え、なに、ここにいる犬みんなウイルスに感染して変異する設定なの?

さて、肝心のワンちゃんたちはどうしてるのかな、と中を見ると、もふもふのかわいいプードル達が…

プードル達が…

オウフ。


幼女「ねぇみて〜ママワンちゃんかわいい〜」母親「…」


いやぁ、楽しい遊園地でした。つい楽しくて何千円も使ってしまいました。
帰りがけの道に整備用のトラックが普通に止まってたり、読売テレビテレビ塔がなぜか敷地内に立ってたり、謎の神社が現れたり、稲川淳二が3Dだったりと、いちいち遊園地の世界に集中させてくれない感じも、ひとつの味であろう。


あとはせめて自転車で行けたら言うことなしなのだが。有料道路沿いなので、車かケーブルカーで行こう。
皆さんも行って見られるとよいかと思うが、初デートに彼氏彼女を誘っていこうと思うならば、相手のノリが良いかどうかを見極めてからがよいと思うので、素直にUSJ海遊館に行くといいのではないでしょうか。