サロベツ牧場サイクリング

2日後、道北の街、豊富町まで車でやって来た。今日は自分達の自転車で牧場の中を走るのだ。豊富温泉に車をデポし、出発。

気温は20℃前後で、ウインドブレーカーを着ていくか迷うくらいだ。牛を見ながら一旦街に下り、改めて道道の丘を登っていく。途中子鹿のいる公園があったり。辛くない程度の坂で、交通量も少ないので楽しい。

バイパス(この田舎で何をバイパスするつもりなんだろう)の下をくぐったあたりから、景色がどんどん開けて緑の牧草地が遠くまで広がった。これはすごい。

るんるん走ること10分ほど、子供がトレーラーからおりたがったので、双眼鏡でバードウォッチングしつつ、300mほど自転車を押して歩く。

タイミングを見計らってもう一度トレーラーに乗ってもらい、残り2kmほど走って「工房レティエ」へ。

乳製品を手作りしていて、カフェも併設されている。しかし…入るまでにアブの軍団がいる! すごい数だ。奴らは黒いものに群がるので、黒いジャージと赤黒ツートンのトレーラーはたちまちアブに囲まれて酷いことに。駐車場の黒いミニバンなんて、数百匹はいそうなアブの集団にたかられて、近づくこともためらわれる。本当にひどい。まあこれは工房がどうのじゃなくて、今年の大発生のせいですが。

店では木苺のジェラートとチョコレートパフェを注文。木苺味なのに薄茶色なのが面白い。素直で天然な感じで美味しゅうございました。

店内の本の大半が原発反対関連で、ポスターやのぼりもいっぱいなのは軽く引いたが。隣の幌延町で原研がやってる調査に反対してるんでしょうけれど、こっちが求めてない情報がどこを向いても入ってくる。


さて、アブにたかられながら急いで出発。道道からさらに外れて、牧場の間の道をゆく。路面はなんだか毛虫が多く歩いている。北海道ならではの、丘のアップダウンが楽しい。

ここから道は「大規模草地牧場」へどんどん登る。トレーラーが重いこともあり、インナーローで8km/hくらいで回していると、気がつけば周囲はアブとブヨだらけ。払っても払ってもまとわりつき、狙ってくる。今年は本当にヤバい。登り坂では振り切ることもできない。チャイルドトレーラーはしっかり化繊の布で囲まれ、風が通るところはメッシュなので、虫が入らないのは本当に良かった。子供乗せママチャリだったら今頃全身腫れ上がってるだろう。チャイルドトレーラーの中には「虫よけ当番」を吊るしておいたけど、その効果のほどは分からなかった。

登った先、路面に白い消毒剤が撒いてあるところを通ったら、巨大な牧場の入り口だ。このパノラマたるや、さっきの比ではない。

360度ずっと緑の牧草地の丘、ずっと牧場。牛はたくさんいるが、遠いところのはやっと見えるかどうかの小ささだ。これは感動的だ。表現できる文才がないので、写真を見て欲しい。

後ろのごま塩みたいのが牛。そんなスケール。


雄大な景色を眺めつつ、敷物を広げて、さっきセイコーマートで買ってきたゆでとうきびを食べて休憩。最初は保育園で出るミックスベジタブル的なトウモロコシに見えて嫌がっていた息子も、美味しい美味しいと食べていた。

そこからの下りが、登りよりさらに楽しいのはいうまでもない。このために北海道まできたと言っても過言ではない。

途中にあったレストハウスの廃墟の周りは一面タンポポ。愚息はここでも花束を作りまくっていた。昔は乗馬コーナーとかもあったみたいで、観光地として賑わったのだろう。今は人もまばらな花畑。それもまたよい。

牛の牧場を抜けてからは、いくつか丘を越えてトナカイ牧場へ。まあおしゃれなカフェのついたダチョウ王国みたいなもんですわ。トナカイにえさをやり、手をベロベロに舐められた。トナカイはツノまでビロード状の毛が生えてるの、知ってた?