焼尻島で羊に会う

焼尻島(やぎしりとう)は北海道の離島である。荷物と自転車とチャイルドトレーラーまで満載したタントで敦賀へ、さらにフェリーに乗り込み苫小牧、そこから羽幌までドライブ、羽幌港に車とマイ自転車を置いて(帰りの高速船は荷物制限があるので、自転車を持っていくのは面倒)、人間だけ渡ってきました焼尻島。
タイトルにチャイルドトレーラーとか書いたのにいきなり違うが、ここはレンタサイクルだ。
5年前のGWに来た時は、 海が荒れすぎて天売島に足止めされ、焼尻島に渡航できずに諦めたので、今日は再挑戦だ。

波は凪いでいるはずなのだが、羽幌沿海フェリーは今日もなんだか揺れていた。まあ、巨大でほとんど揺れない新日本海フェリーと比べてはいけないかしら。

腹が減ったので、焼尻港でまずは腹ごしらえ。メニューは実質1種類、羊の焼肉しかない。

おいしいんだけど、炭の火力が弱いのと、子供が嚙み切れる肉の固さじゃないのと、塩胡椒以外の味付けが不可能なのと、屋外でアブとブヨが多すぎるのが難点か。今年は例年になくアブが大発生していて、この旅行ではずっと悩まされることになった。もう何箇所腫れ上がったか…


港でレンタサイクルを借りた。私は子供乗せママチャリ、妻は普通のママチャリ、どっちもアシストはない。どう見てもこれから保育園に行きますという格好だが、出発してからすぐ登り坂になり、わっせわっせと登る登る。そのうち道は森に突入していく。

そして、その後ダートに。

どう見てもコースは合ってるのだが、レンタサイクル屋もオススメしてる標準コースが坂&ダートというのが、試される大地北海道。
妻の恨み節が盛り上がって来た頃、道に舗装が戻り、羊(サフォーク)が呑気に草を食む牧場が広がった。

あたりにはユリやアザミやタンポポが咲き乱れる。礼文島は花の島というけど、遊歩道ならともかく、サイクリングしながら見える花の量でいうと焼尻島の方が多い感じがする。
写真だとあまり映らないなあ。

自転車から降りて、ひつじさーん、とかいいながら息子が座り込んだのは…羊のフンの上…ぎゃー。柵があるし、観光牧場ではないので大接近とはいかないが、羊のフンがそこらに転がってるくらいの距離まではいけるわけで。そのあとは乙女よろしくタンポポの花束を作ったりして楽しんだ。

帰り道は下り基調。花畑から海に落ち込む崖までの大パノラマ、海の向こうはすぐ天売島だ。実に楽しい。

港に戻って来て、あとは宿まで散歩。港に落ちてるもの「ウニ」「ホタテ」「ツブ貝」。

ここの鳥や猫達は、贅沢な暮らしをしている。一方島の経済は…見るからに成り立ってない感じがする。商店やガソリンスタンドは、一応あるんだろうけど分からないくらいだし、あとは郵便局があるくらいか。オムツや粉ミルクは、島では手に入らないそうだ。この孤島で生きるとしたらアマゾン必須だろうなぁ。

これで、礼文島利尻島、天売島、焼尻島、奥尻島は回った。ついでにサハリンも走った。あと走ってないのは北方四島か。政治的な意図はないけれど、死ぬまでに普通にサイクリングできないかなぁ。日本人以外にとっては今でも簡単なのだけど、そうでないとビザなし渡航とかなっちゃうし…ま、いずれ、無理しなくてもどうにかなるといいな。